アイルランド中東部地域では、対内投資家にアイルランドが提供できるあらゆる優れた資源が利用できます。世界的に著名な多国籍企業や研究センターの基盤が確立されており、高度な技能人材へのアクセスも確保されています。中東部地域は極めて魅力的な投資対象地域で、ライフサイエンス、テクノロジー、国際金融サービス、先端製造業における大規模投資事業も複数抱えています。
3県全体でIDA（アイルランド政府産業開発庁）顧客基盤は85社を超え、雇用従業員数は2万人を上回ります。主な雇用主には、キルデア県リークスリップのIntel とHewlett Packard Enterprise、キルデア県ニューブリッジのPfizerとKeurig Dr Pepper、ダンボインのMSD、ミース県ナヴァンのUtmost InternationalとUnilin Insulation（旧Xtratherm）、さらに武田薬品工業、Tcoag、Oriflame、Megazymeなどが挙げられます。ウィックローにおける主な対内直接投資プロジェクトには、アークローで500人以上を雇用するフランス系製薬会社Servier、ならびにElavonとMerckが挙げられます。
人材へのアクセス
顧客企業からは、人材の確保とアクセスが決め手との声が寄せられます。同地域の大半のエリアから車で40分圏内に居住する約130万人を企業は活用しています。同業他社が既にこの地域を選択している事実を目にすると、新規投資家も革新を得られるようです。
雇用主は「逆通勤」効果で優秀な人材を惹きつけることも可能です。2026年に予定されている郊外鉄道線の拡張により同地域の魅力はさらに高まる見込みです。多くの企業が、ダブリン空港とダブリン港の両方に近い立地を活用してきました。メイヌース大学はアイルランドで最も急成長中の大学で、多国籍企業が必要とするスキルを持つ卒業生を輩出するだけでなく、AI、ロボット工学、ドローン技術、データ分析など各種分野に特化した複数の研究センターを擁し、研究面での評価も高まっています。
旗艦投資
アイルランドの歴史で旗艦的な多国籍企業投資事業の一つを担うIntel社を抜きに中東部地域を語ることはできません。この半導体メーカーは1989年以来、アイルランドに300億ユーロを投資してきました。現在、そのキャンパスは世界最大級の半導体生産拠点の一つとなっています。
同社は再投資を続け、欧州最大かつ最先端の半導体製造拠点Fab 34を完成させました。投資額170億ユーロは、アイルランド国家史上最大の民間投資です。同社の継続的なプレゼンスは、周辺地域に下請け企業進出を促すハロー効果も生み出しました。
より最近の進出企業には、計画・配車・テレマティクス・チケット統合システムを提供するINITがあります。アイルランド事務所は、同社初のドイツ国外ソフトウェア開発拠点です。INITは最近チームを拡張し、特に高スキルのソフトウェア開発者の確保に力を入れています。
持続可能性への注力
中東部地域は持続可能性への取り組みで高い評価を得ています。Keurig Dr Pepperは大規模な持続可能性プロジェクトに、644万ユーロを投資しています。竣工の暁には同飲料製造拠点の電力は、100%再生可能エネルギーで賄われます。
同地域では、洋上風力発電の可能性を積極活用する計画も進められています。Arklow Bank風力発電所第2期事業の場所はウィックロー県沖で、次段階では送電容量最大800MWの確保が見込まれます。
IDAによる緊密な支援
中東部地域に拠点を設立する多国籍企業は、設立段階から継続的事業運営に至るまで、IDAから緊密な支援を受けることができます。IDAのクライアント企業との契約の特徴は、その関係構築モデルにあります。当庁は、時間をかけてアイルランドに投資する企業と継続的なパートナーシップを構築しています。当庁には、各企業に専任の業界専門家を配置しています。
これには、拠点を設立済みの同業クライアント企業、迅速な事業拡大の道筋を円滑にする地域コミュニティの利害関係者、共同研究の方法を議論するための教育機関への紹介といった「ソフト面」の支援から、デジタル化、スキルアップ、サステナビリティプロジェクトに至る社内イニシアチブで利用可能な各種財政支援まで多岐にわたります。
アイルランド政府産業開発庁はまた、この地域周辺のリトルコネル、ニューブリッジ、ナヴァン、アークローにハイエンド製造業向けランドバンクを所有しています。その一つがキルデアイノベーションキャンパスです。小規模チームによる研究開発から製造施設の拡張までの幅広い活動に適しています。
中東部地域は、多国籍企業がアイルランドを拠点に国際事業を立ち上げ、拡大するための理想的な基盤を提供します。