技術研究の大手がアイルランドの量子コンピューター研究の支援に協力することになりました。1110万ユーロを懸けたアイルランド量子コンピューター開発構想では、アイルランドで開発中の複数の量子ビット技術を統合するソフトウェアプラットフォームに取り組みます。
1か0のバイナリビットを使用する従来のバイナリコンピューターとは異なり、量子ビットは0と1に加え両方の値を同時に取ることができます。このため、量子コンピューターは、バイナリコンピューターに比べて数分の一の時間で世界でも最も複雑な問題を解決することが可能になります。
QCoir (Quantum Computer in Ireland) の提携団体には、Equal1 Labs、IBM、ロックリー・フォトニクス、メイヌース大学、チンダル国立研究所、ダブリンカレッジ大学およびマスターカードがあります。この事業は、Project Ireland 2040 に基づいて設立された5億ユーロのファンド Disruptive Technologies Innovation Fundのもとで730万ユーロの助成を受けています。
「国家規模の量子エコシステム」
チンダルのCEOであるウィリアム・スキャンロン教授は、この提携により「国家規模の量子エコシステム」の基盤が築かれると述べました。
「ハードウェアとソフトウェアのプロバイダーに併せてアプリケーションユーザも一堂に集め、多国籍企業が研究者や中小企業と協力することになります。この種の産学研究の提携により、アイルランドは国際規模の量子価値提案を構築できるでしょう」
量子コンピューター研究は、アイルランドで進歩を続けています。今年初めには、トリニティカレッジダブリンが量子コンピューティングの「聖杯探し」、すなわち安定した小型量子コンピューターの研究で大きな前進を遂げたと発表していました。
Colm Gorey著
この記事はwww.siliconrepublic.comに掲載されたものです。オリジナルの原稿はこちらをご覧ください。https://www.siliconrepublic.com/machines/ibm-mastercard-qcoir-irish-quantum-project