ゴールウェイ・メイヨー工科大学(GMIT)の技術者チームは、新型コロナウイルスパンデミックによる人工呼吸器の世界的需要の高まりを受け、緊急対応策を提供できることを期待して、先月、迅速かつ安価に生産可能な新型緊急用人工呼吸器を発表しました。
新しいデザインは手動のBVM(バッグバルブマスク)人工蘇生器のスクイージングを自動化することにより基礎的な呼吸器として、患者の自発呼吸の支援や基本的な換気機能の再現を行います。
オリバー・マリアン博士によると、このシステムは生分解性で入手しやすいレーザー加工用素材で設計されているため、適切な機器さえあれば「最終手段」として誰でも組み立てることができます。呼吸のサイクルと送気量は基本的な回転式ダイアル操作で調整可能で、吸気圧の監視もできます。
オリバー・マリアン博士は次のように述べています。「最終目標は規制機関と政府の認可を待って調整した器具をオープンソースにすることです。認可の取得に関わらず、デモと較正用、また学部生の工学学習と授業のために数個製造予定です」
試作品はメイヨーの地元企業Collins Plastics社と共同開発されました。現在、医師や患者が呼吸補助用に操作できるように器具を自動化し調整する作業が行われています。
オープンソース・ソフトウェアの利用
今後、コロナウイルスの波が複数回到来する可能性を見据え、このプロジェクトでマリアン博士と共同リーダーを務めるジェイムス・ボイル氏は、GMITのデザインが人工呼吸器や緊急システムの潜在需要の少なくとも一助になることを期待していると述べました。
「自動化システムのプログラミング用ソフトウェアライセンス購入コストで単純なプロジェクトが実行不可能になることもよくあります。誰もが呼吸器を再現できるようにしたいと思っていたため、この自動システムを、オープンソース・ソフトウェアを使ってプログラミング可能な低コストのコントローラーで設計しました」と、ボイル氏は述べています。
チームにはマリアン博士とボイル氏の他にもデビッド・マクドネル氏、GMITのアラン・ハノン博士、Collins Plastics社のリアム・コリンズ氏、ケイト・トンプソン氏が参加しています。
新型コロナウイルス患者の治療のためのソリューションを迅速に開発し生産しようとしているアイルランド各地の数多くの技術者や医師の研究成果も結集しています。その中には、オープンソース人工呼吸器プロジェクトと、ゴルウェイVentShareチームが開発した、人工呼吸器一台で二人の患者を治療できるシステムもあります。
Colm Gorey著
この記事はwww.siliconrepublic.comに掲載されたものです。オリジナルの原稿はこちらをご覧ください。https://www.idaireland.com/newsroom/gmit-team-unveils-low-cost-covid-19-ventilator-pro