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Deal me in:企業買収がアイルランド対内直接投資に果たす役割
Deal me in:企業買収がアイルランド対内直接投資に果たす役割

アイルランドが多国籍企業に提供するのは人材だけではありません。多くの多国籍企業が買収に最適な企業を見出してきました。アイルランドの活気あるビジネス環境は高成長企業の育成にも貢献してきました。

「多国籍企業は知的財産を買収して消えてしまうわけではありません。こうした買収がアイルランド国内企業に非常に重要なロングテール効果をもたらしています」と、アイルランド政府産業開発庁技術・消費者・企業サービス部門長Dónal Traversは述べています。

買収によりトップチームを獲得した代表例は、Workdayによるアイルランド発ソフトウェア企業Cape Clearの買収です。当時Workdayの従業員数は200名足らずでしたが、現在ではアイルランド拠点だけで約2200名になりました。2025年には1億7500万ユーロを投じて新たな中核的AI研究拠点を設立し、アイルランドへの関与をさらに深めています。

同様の話が、2014年のRed Hatによる6350万ユーロのFeedHenry買収でもありました。FeedHenryの技術がRed Hatのグローバルモバイルアプリプラットフォームになった後に、Red Hat自体がIBMに買収されたからです。Red Hatはウォーターフォードの拠点を維持し、2025年にはIBMが同市でのメインフレームコンピューティングへの大規模投資を発表しました。

「アイルランド企業にとっても、売却が正しい出口選択となる場合があります。売却によりリソース、資金、体制、パートナーシップの機会、さらには最も拡大に重要な市場アクセスを得られるからです」とTraversは語ります。

大手企業がアイルランドの革新的企業に着目

Oculusは、ティンダル国立研究所と国立アイルランド大学コーク校からのスピンアウト企業InfiniLEDがもつ技術価値に注目しました。Mastercardは2009年にアイルランドの決済企業Orbiscomを買収しました。後者のCEOであったGarry Lyons氏はMasterCardのCIO(最高イノベーション責任者)に就任し、現在、ダブリン事務所で勤務しています。IntelやArmといった半導体大手は革新的なアイルランドの新興企業を次々と買収し、Verizonが24億ドルで買収したFleetmaticsはアイルランド企業としては最大規模の売却事例の一つとなりました。

アイルランド国内のAIサイバーセキュリティの評判の高まりは、国際投資家に新たな実り多い活動の場にもなりました。2025年夏、ルーマニアのサイバーセキュリティ企業BitDefenderはMesh Securityの買収を発表しました。一方、コークに拠点を置くGetvisibilityはForcepointにより数百万ユーロで買収されました。CalypsoAIはナスダック上場企業F5により1億8000万ドルで買収されました。

アイルランドが医薬品、バイオテクノロジー、医療機器部門で長年築いてきた実績が、数多くの買収につながったのも偶然ではありません。2023年にはAmryt PharmaがイタリアのChiesi Farmaceuticiに最大15億ドルで買収されました。

世界中で買収先を求める企業の目は技術分野に留まりません。 2024年にはスイス企業R&S Groupが配電用変圧器メーカーのKyte Powertechを買収しました 。Modular Automation Irelandは現在、米国企業Automated Industrial Roboticsの傘下にあります。

日本企業は事業展開の手段として買収を頻繁に行っています。三菱はアイルランド企業2社ElectroRouteとAscension Liftsを買収しました。2023年末にはソフトバンクがアイルランド企業Cubic Telecomの51%株式を取得。NECはアイルランドのRF技術企業Aspireを買収後、その事業に再投資しています。

三井住友銀行はRBS銀行の航空機リース部門を買収しました。その後10年間で事業を拡大、統括本部を日本からアイルランドに移転し、世界最大級の航空機リース会社へと成長しました。

この事例は、小規模な事業から始めた多国籍企業がアイルランド事業に価値を見出し、大きく拡大した典型的な例です。現地の既存企業の買収が、迅速な事業立ち上げとその後の成長の理想的な足掛かりを提供しています。