アイルランド政府産業開発庁はマイクロソフトおよびリンクトインと共同で最新の労働市場動向を発表しました。

この報告書は、アイルランド労働市場全般にわたる最新の見解と動向を概説し、産学官の意思決定者に情報を提供するものです。今回発表した労働市場動向では、今日の労働力におけるAI(人工知能)スキルの重要性の高まりに注目し、アイルランドにおけるAIの成長について詳しく述べています。AIとその関連スキルは、企業組織のデジタル変革力の核となっています。

AIの成長は、さまざまな部門の雇用とスキルにプラス影響を与えることが期待され、現在、多くの企業がAI活用の可能性を見出そうとしています。AIスキルの需要は依然として供給を上回り続けているため、スキルの供給力が企業のAI導入への最大の障害となっています。5月に始まる欧州技能年に先立ち、世界経済フォーラムは、2022年から2025年の間にAI関連の雇用が9700万件創出されますが、現在のスキル不足を埋めるには的を絞った取り組みが必要となると予想しています。

リンクトインのデータによると、2022年にアイルランド国内でAI人材とみなされたのは女性の1.36%、男性の2.55%でした。AI人材とされる女性の数は、現状では十分とはいえないものの、年々加速度的に増加しているという変化が見られます。2016年から2022年の間に、AI人材とみなされる男性の数が34.7%増加したのに対し、女性ではAI人材が40.5%増加しています。

2022年のAI人材の就職先シェアでは、リンクトイン会員の間で教育部門が6.36%と最も高く、研究・技術革新の拠点としてのアイルランドの強みを表しています。世界的にも、AI人材であるリンクトイン会員の雇用先では、テクノロジー、情報、メディアが最大シェアを占めていました。

アイルランドでは、AIスキル不足に対処するため、従業員のスキルアップとリスキリングに加え、AIアンバサダーの任命、AIにおけるナショナルマスターの導入、学校のデジタル戦略など、AIにおける能力開発の数々の取り組みを導入しています。

現在、アイルランド国内ではAIおよび関連分野のコース105あまりが提供されていることに加え、従来からのアイルランドの特長である高いスキルを持つ労働力と技術革新の風土により、アイルランドがAIの開発・導入のリーダーとなれる要素は整っています。