アイルランド政府産業開発庁(IDA Ireland)は2021年4月1日、大塚メディカルデバイス株式会社の子会社であるヴェリアン社(VERYAN MEDICAL)が、同社のアイルランド西部の都市、ゴールウェイの拠点に数百万ユーロ規模の投資を行うと発表しました。本投資は、欧米で販売されている同社の製品ポートフォリオのひとつである下肢動脈血流を改善するステント「BioMimics 3D Swirling Flow」の世界販売をさらに拡大することに寄与します。本投資は、アイルランド政府産業開発庁を通じてアイルランド政府が支援します。
ヴェリアン社は2006年にゴールウェイ拠点を開設し、現地雇用をすすめてきました。2018年、世界30カ国で事業を展開し47,000人の従業員を擁する、今年創業100周年を迎える大塚ホールディングスの子会社である大塚メディカルデバイス株式会社に買収されました。その後、ゴールウェイ拠点の従業員数は、デザインエンジニアリング、開発、サプライチェーン業務、規制、品質保証から臨床試験、データ管理、財務の分野において、11人から46人に増加しました。今回の新たな投資は、3つの開発プロジェクト(動脈インターベンションに特化したプロジェクト2件、静脈疾患の新たな治療法1件)に関連したもので、さらに20人のフルタイム雇用を創出すると見込まれています。
レオ・バラッカー副首相兼企業・貿易・雇用担当大臣は次のように述べました。「新規投資により、ヴェリアン社が今後2年間にわたり20人の追加雇用を創出していくことを、非常に嬉しく思います。今回の事業拡大は、ヴェリアン社のアイルランドへのコミットメントを証明するものであり、同社が引き続きゴールウェイおよび近隣地域の人材を雇用することで、ビジネスにおいてさらなる発展をとげると確信しております。同社の今後の成功を心よりお祈り申し上げます」
ヴェリアン社の最高経営責任者 ニック・ヨー氏は次のように述べました。「本発表は、当社のチームにとって非常にタイムリーな励みとなります。彼らは、コロナ禍において並外れたレジリエンスと忍耐力を発揮してきました。ヴェリアンのゴールウェイR&Dチームは10年以上にわたりデザイン・インテリジェンスの文化を育んでおり、あらたな投資は、現在開発中の新製品に素晴らしい付加価値を創出することでしょう」
大塚メディカルデバイス株式会社の代表取締役社長 東條紀子氏は次のように述べました。「大塚メディカルデバイスのアイルランドにおける研究開発プログラムに、アイルランド政府産業開発庁のご支援を頂けますことを感謝いたします。同プログラムは、革新的な血管内治療を患者や医師の方々に提供する当社活動の中核を成すものです。これからもアイルランドの優秀なスタッフと連携し、この意欲的な目標を達成することを楽しみにしています」
ゴールウェイチームは事業拡大に向けて、新たに開設されたヴェリアン イノベーションセンターに移転しました。同センターは、ゴールウェイのパークモア ビジネス テクノロジーパークにある15,000平方フィート(1393.55平方メートル)の施設で、環境に配慮した建築物に与えられるLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)Gold認証の取得を目指して設計されています。
アイルランド政府産業開発庁マーティン・シャナハン長官は次のように述べました。「複数の日本のライフサイエンス企業がアイルランドに拠点を置くことを選択している中、ヴェリアン社より発表された投資は、大変意義深いものであり、この地域の医療機器クラスターをさらに強化するものと信じています。また、ゴールウェイのパークモア ビジネス テクノロジーパークへの移転に祝意を表するとともに、今回の事業拡大による成功をお祈り申し上げます」