アイルランド政府は、欧州宇宙機関(ESA)に対して今後5年間で1億2500万ユーロを拠出することを決定しました。この投資は、アイルランドで成長している宇宙産業の規模拡大を後押しするものと期待されます。 ダミアン・イングリッシュ・ビジネス・雇用・小売担当国務大臣が発表しました。

イングリッシュ大臣は現在、今後の政策と戦略に関する合意するためESAパリ会議に出席しています。大臣は、アイルランドがESAの必須プログラムのみならず

オプション・プログラムの一部にも投資することを確認し、アイルランド初の衛星EIRSAT-1が来年に打ち上げを予定しているため、心を躍らせていると述べました。 このキューブサット規格の小型衛星は、ESAの「Fly Your Satellite」プログラムの一環として、ダブリンカレッジ大学の研究者と学生が設計・製造しました。

成長が期待される宇宙産業
商業宇宙産業は2040年までに約1兆ドル規模に成長すると推定されており、アイルランドはこの市場でのシェア獲得を目指しています。政府のESAへの増資は、国内で宇宙関連産業を発展させるために2019年に定めた国家戦略の一環として行われました。

ESAの契約に携わるアイルランド企業の数は、2019年の70社から今年は97社に増えましたが、今後数年間にわたる追加拠出により、企業や研究者がさらに多くの機会を得られると期待されます。 イングリッシュ大臣は、現在の雇用を維持し、新たな雇用を生み出す一助となると述べています。

アイルランドのハイテクが離陸

アイルランドは1975年からESAに加盟しています。この間、アイルランドの産業界や研究者は、注目される数々のミッションに参加してきました。おそらく2021年最大の宇宙開発となったジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げにもアイルランドが関与しました。

ダブリン先端研究大学の研究者らが観測装置の一部を担当する一方、 アイルランドの新興企業Réaltra社は望遠鏡打ち上げロケット用映像システムを開発しました。国家宇宙戦略に沿って、アイルランド企業は宇宙以外の市場でも宇宙技術の活用を進めています。

アイルランド企業のMindseed社とOceanEnergy社は昨年、再生可能海洋エネルギーへの宇宙技術利用を調査するESAの委任契約を獲得し、Davra社とTreemetrics社は地球観測データ研究にESAの支援を取り付けました。