本セミナーでは、アイルランド、ダブリンの生物医学診断研究所(The Biomedical Diagnostics Institute - BDI)の活動を通して、ニアペイシェント/ポイントオブケア検査、疾患の早期発見およびコンパニオン診断分野におけるアイルランドの技術進歩を紹介します。
ニアペイシェントおよびポイントオブケア検査の開発は課題の多い目標であり、複数の科学および技術の知識を要します。BDIが有する科学的能力には生体認識および抗体工学、血小板生物学、光学センサー開発、ナノテクノロジー、マイクロフルイディクスおよびポリマー微細加工、表面科学があります。こうした多様な機能をきちんと統合して初めて、信頼に足りるアッセイプラットフォームが開発できます。BDIの診断プラットフォーム開発分野における研究活動は、さまざまな新規戦略を包含するものです。
早期診断と治療中の患者の継続モニタリングは大病、特に癌、心血管疾患、感染症治療の成功の要です。BDIはこうした課題に、高速、少量サンプルでの高感度バイオマーカー検出法を非常に低コストで開発することで取り組んでいます。このような目標の実現に向け、BDIは、世界有数の学界、臨床界、産業界のチームと独特の国際的提携関係を結んできました(5大学、3病院、6業界の提携先があります)。BDIが要とする精神は、いまだ解決をみない広範囲にわたる医療の課題に統合的で機能的な診断プラットフォームを開発することにあり、本セミナーでは、血栓症と止血の分野でのセラノッスティック(コンパニオン診断)形式の開発の取り組み、具体的には抗血小板薬の治療効果モニタリングや抗凝固効果モニタリングの分野を重点的に扱います。
BDIで開発中のセラノスティック(コンパニオン診断)プラットフォームは、一般的抗血小板剤の治療効果や市販の抗凝固薬の薬効の評価という、いまだ満たされないニーズに取り組むことに焦点を当てているため、製薬パイプラインでもかなり最後のほうに位置づけられるものです。しかし、とりわけ抗血小板治療の場合は、セラノスティックプラットフォームがパイプラインの「上流」に移行できる領域がかなりあり、第IV相試験における患者のコンプライアンスや、さらにはそれに先立つ早期治験への無反応者のスクリーニングの可能性といった様々な課題に対処することができます。
本セミナーでは、マイケル・バーント教授がBDIにおける上記取り組みに関わる科学とテクノロジーを詳細に講演します。
セミナー資料はこちらからダウンロードできます。
マイケル・バーント(Michael Berndt)教授略歴
マイケル・バーント教授は、現在ダブリンシティ大学にある生物医学診断研究所(The Biomedical Diagnostics Institute - BDI)所長を務め、アイルランド王立外科医学院で実験医学の教授を兼務しています。さらに、コーク大学医学医療学部長、コーク大学生物化学研究所所長の前歴を持ちます。研究テーマには、血栓症、炎症、血管生物学、生物医学診断があります。豊富な国内外の研究賞受賞歴があり、1996年にはGlaxo-Wellcome Medal、2003年には国際血栓止血学会からDistinguished Career Awardを受賞しました。学術誌の編集委員も、Blood、Journal of Thrombosis and Haemostasis、Arteriosclerosis Thrombosis & Vascular Biologyで務めます。発表論文数は280を超え(h指数= 64、被引用数>11,300)、Science、Journal of Experimental Medicine、Blood等大手国際学術誌が含まれます。Eメルク、ホフマン・ラ・ロシュ等の製薬会社とも協働研究を実施、数々の特許申請のうち1件はGenetics Institute(ファイザー)にライセンス提供しています。また、オーストラリア証券取引所上場のプロテオミクスベースのバイオテクノロジー企業、Cryptome Pharmaceuticals Ltd(現在のHealthlinx)の共同創設者でした。2005年の第20回国際血栓止血学会シドニーと2008年の第15回国際血管生物学会議シドニーではプログラムチェアの経歴を持ち、現在、国際血栓止血学会次期理事長です。
生物医学診断研究所(The Biomedical Diagnostics Institute - BDI)について
2005 年10 月に設立された生物医学診断研究所(The Biomedical Diagnostics Institute - BDI)は、アイルランドの科学財団「サイエンス・ファウンデーション・アイルランド( Science Foundation Ireland - SFI)」*1 が出資している「科学工学技術センター(Centre for Science, Engineering and Technology - CSET)」*2 に指定されている研究所です。大学・研究機関、企業、医療機関がお互いに補完しあい、融和し、結束したパートナーシップのもと、各分野から主要研究者が参加し最先端の共同研究を進めています。
BDI のビジョンは診断科学と診断技術の進歩の先駆者となり、またこれらの最先端技術を実際に臨床に使用できるようにすることで医療を変えることです。同研究所の中核技術から生み出された診断基礎技術の先端を歩んできたBDIのこれからの目標は、新しい診断機器を臨床的、そして商業的に応用することです。BDI は、パートナーである臨床医、科学者や企業から提示された大きな医療課題に取り組んでいます。BDI はこれまでに確立してきた研究能力に基づいて、今後の病気の診断法と健康維持に大きな影響を与えるであろう、ポイントオブケアの総合ソリューションを提案していきます。
BDIの詳細はこちらをご覧ください。http://www.bdi.ie/
サイエンス・ファウンデーション・アイルランド(Science Foundation Ireland - SFI)について
サイエンス・ファウンデーション・アイルランド( SFI)は、バイオテクノロジー、情報通信技術、持続可能なエネルギー・省エネルギー技術の基盤となる科学技術分野を対象に、新しい知識、
最先端技術、競争力のある事業を創造する学術研究と研究チームに投資を行う団体です。
SFI の詳細はこちらをご覧ください。http://www.sfi.ie/index/
科学工学技術センター(Centre for Science, Engineering and Technology - CSET)について
科学工学技術センター(CSET) は、科学者と技術者の産学連携を促進し、それを通じて、重要な研究課題への取り組み、アイルランドにおける科学技術系の新企業・既存企業の発展促進、アイルランドとアイルランド経済に大きく貢献できる産業の誘致、そして、アイルランドの科学技術の分野における教育・職業機会の拡大を図っています。CSET は、きわめて質の高い研究、広範囲にわたる知性、活発な共同研究、新しい研究機会への柔軟な対応、そして、SFI が支援する分野における研究と教育の統合を実現しています。
SFIは現在、9つのCSET に資金を提供している。このうち、3つのセンターはSFI のバイオテクノロジー分野に属し、6つのセンターは情報通信技術分野に属する。
CSET の詳細はこちらをご覧ください。 http://www.sfi.ie/investments-achievements/investments/sfi-centres-for-sceince-engineering-technology-csets/
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